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『こどもみらい住宅支援事業』詳細と実態

あらためまして、あけましておめでとうございます。
今年もこの場を借りていろいろなお話しをしようと思います。よろしくお願いいたします……。
さて、今年最初のお話は、国土交通省主導の住宅に対する補助金『こどもみらい住宅支援事業』についてお話しします。

まず、この制度の概要です。

これを見て、高性能住宅を標準としている施工会社はこの補助対象に違和感を覚えるでしょう……。

私がここで言っている高性能住宅とは、最低でもその他地域のHEAT20 G2以上の性能(6地域でもUA値0.46以下)で、ここ埼玉で考えた場合5地域と6地域が混在しますので、5地域G1だとしてもUA値が0.4より良い性能の住宅を指しています。
これくらいの断熱性能を持つ住宅であれば(もちろん気密力C値は竣工時で0.5以下)室内すべての温度差を3〜4℃くらいに保つことが出来るでしょう……。(※これまで三幸住宅が実測した結果より)
ちなみに三幸住宅では、室内温度差2℃以下になるように設計・施工するのが基本です。

どこが違和感か?というと対象住宅の部分です。
正直、個人的には①〜③すべてに違和感があります。
この補助金の制度目的に、

と書いてあるにも関わらず、補助金対象の住宅の性能レベルが低すぎる……。それも度を超えて低いという部分です。

この補助対象住宅①〜③の中で一番ましな①でも断熱性能はZEHレベル(UA値0.6以下)、おまけにC値(気密)の基準がないということ。
ただでさえ、その程度では室内温度差(家の中で一番暖かい場所を20℃程度とすると)は無室調室で7℃〜10℃くらいになる可能性が大きいのに、そこにC値が2.0程度だとするとひどいものです。

三幸住宅では今までいろいろ実験した結果、注文住宅と呼ばれるものなら現在の在来工法で普通に施工すれば、あえて気密工事という項目はなくても竣工時C値は1.8〜2.5程度になります。
※建て売りは施工スピードが尋常でないほど早いので、もっと悪くなる可能性が大きいです。

この表の中で一番断熱性能が良いとされるものでこの始末ですから、その他の②③は論外です。
(私には補助金のバラマキとしか思えません……。)

制度の目的のひとつは子育て支援ということなので、ある意味現金給付的な部分とすれば仕方のないことかもしれません……。
しかし、国土交通省主導でやる以上、建物メインとして考えていただきたいです。
子育て支援ということであれば別の制度で補助してあげればいいと思いますし、その類はもうやっている部分でもあります。

もし仮に、この補助対象が各地域の断熱区分で、

①HEAT20 G1グレード以上かつC値0.5以下、耐震等級3以上の住宅 → 200万円
②HEAT20 G2グレード以上かつC値0.5以下、耐震等級3以上の住宅 → 280万円

この2項目のみとしたらどうでしょう……。

これくらいまでまともにレベルを上げ、バラマキを止め、その部分ひとつひとつに補助額を大幅に増やしたら、住宅取得者の興味・意識を強く引きつけることが出来ますし、施工会社・分譲メーカーももっと住宅性能向上に目を向け、本気で取り組むことでしょう……。

結果これからの日本の良質な住宅ストックも期待できますし、なによりそこに住む人々(家族)の健康(生命)を守ることになり、更に思い(想い)をもって長期に渡り住まえる、少しでも良い住宅を提供しようとする技術と知識を持った施工会社をも助けることになる……。
(続けることにより設計力の向上も期待できます。)

少ないエネルギーで夏涼しく、冬暖かい、という上記に挙げたHEAT20 G2以上の家の住み心地は体感会や宿泊体感などで感じることは大切なことなのですが、やはり住んでみなければ(少なくとも春夏秋冬の1年間)本当の良さ、逆に設計による不快な部分はなかなか理解できないと思います。

三幸住宅の例を挙げると、見積段階では一般住宅よりコストは確実に上がりますが、お引き渡し後そこに住まわれるお客さまには100%満足していただけます。
施工会社によって、こんなに嬉しいことはありません……。

こういった国の政策・補助金などには私達一般の人間には分からないいろいろな力や圧力が掛かっているのでしょうが、現在の住宅に対する問題点や高齢化に伴う国民の健康、世界規模でのCO2削減など、国が本気で考えたならもう少しまともな形で補助を出していただければと願っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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